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契約不履行とは?違反したときどうなる?対処法や防止法を解説!

契約不履行とは?違反したときどうなる?対処法や防止法を解説!

契約書には当事者間における権利と義務について決められた事が書かれております。しかし、その取り決めた義務を負うべき当事者が、その義務を履行しないということも考えられます。
契約行為においては、こういった契約上の不履行が発生する場合がございます。
今回は「契約不履行」を題材にしまして、その内容は対処法、そして防止策などについて解説いたします。

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契約不履行とは?

契約不履行とは?違反したときどうなる?対処法や防止法を解説!

契約の当事者間で合意した内容について、その当事者の一方が守らない、いわゆる履行しないことを「契約不履行」と言います。
契約不履行とは、正当な理由がないにも関わらず、契約内容について一方の当事者が実行しないことを意味しております。
なお、法律上の用語としましては民法に置いて「債務不履行」として定義されております。
債務不履行が発生する前提は契約関係となります。契約によって約束した義務である債務を、正当な理由なしに履行しない場合が債務不履行に該当いたします。
民法上で定義される債務不履行と契約不履行は同じ意味を持つ用語として使用されます。
今回は便宜上、契約不履行という言葉にて解説をさせていただきます。

契約不履行の種類は?

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契約不履行といっても、不履行となった具体的な内容はいくつか考えられます。
その為、契約不履行については「履行遅滞」「履行不能」「不完全履行」といった大きく3つの種類で定義されます。
いくつか、その具体的な内容について解説させていただきます。

履行遅滞

契約で定められた期限が到来しても、債務者が追うべき義務を履行していない場合が「履行遅滞」です。
履行遅滞とは、債務者の故意や過失によって債務が履行されていない状態を意味します。
ここで問題になりますのは、「いつから遅れたのか」という観点です。
改正民法により、この遅滞時期と期限について定めている民法第412条が改正されております。
事例を交えて解説を加えさせていただきます。
①確定期限がある場合
到来する時期が確定している期限のことを確定期限といいます。
商品の納入期限を令和4年12月31日と期限を定めているのであれば、令和5年1月1日より履行遅滞による契約不履行に該当いたします。
②不確定期限がある場合
履行する期限が将来発生することは確実ではありながらも、その時期が不覚的な期限の状態を不確定期限といいます。
例えば、桜の開花宣言が出された時、などという場合です。
確定期限と異なるのは、客観的な判断のみでは、債務者に対しての責任を生じさせられない点です。
民法では、債務者が期限到来後に履行の請求を受けた時か、債務者が期限が到来したことを知った時の、いずれか早い時から履行遅滞になるとしております。
余談ですが、改正前の民法では上記にある「履行の請求を受けた時」について定められておりませんでした。その為、債務者側の抗弁の余地として、履行が請求されたとしても、「期限の到来を知らなかった」と言える問題がございました。
改正民法により、期限到来後の履行請求を受けた時においても、履行遅滞の責任が生じることが追加されました。
③期限を定めなかった時
では、取引において期限を定めていない場合はどうでしょうか。
親族関係や友人関係における賃貸借などでは期限を定めない場合もあるかもしれません。
このような場合、いつまでも債務者は履行する必要がない、というのではなく、債務者が履行の請求を受けた時から、遅滞の責任を負うものとして定められております。

履行不能

履行遅滞では、その前提として、履行そのものが「可能である」にも関わらずという点がございます。
一方で、履行不能とは、そもそも履行が「不可能である」という状態を意味します。
債務の履行が不可能になるという例ですが、希少な商品、骨董品などを売買する際に、引き渡す前に破損されてしまった場合などが該当いたします。その他、債務者の死亡などのケースでも該当しえます。

不完全履行・その他の契約不履行

一応の履行はあるものの、その内容や状態が不完全であることを不完全履行といいます。
借金の返済などであればわかりやすく、50万円を貸したのに10万円のみの返済であったという場合は不完全履行となります。
売買契約であれば、納入数の不足や商品の一部に破損があった場合など履行内容に不足や不備がある場合にも不完全履行となります。
不完全履行で注意すべき点は、当事者双方の認識です。認識に違いがあってトラブルになるケースもございますので、契約書では、双方が納得できトラブルを防止できるように、内容を明確にしておく必要がございます。

損害賠償が請求できるのはどんな時?

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それでは、実際に債務不履行があった場合において、損害賠償請求をできるケースについて確認しておきましょう。

債務の本旨に従った履行をしなかったこと

債務不履行になる状態として「履行遅滞」「履行不能」「不完全履行」の3種類を解説いたしました。
この3つのケースはいずれも、契約の当事者の一方が、約束通りの債務を履行をしなかった場合となります。
よって、債務の本旨に従った履行はされていないとして、損害賠償請求は可能となります。
契約書はトラブルを防止するために大切ですが、トラブルが発生した際の解決手段としても重要な役割がございます。
契約不履行の場合の取り決めも、しっかりと定義しておくと良いでしょう。

債務者の故意過失と立証責任

契約行為における債権者側は、債務不履行責任における、債務者の故意や過失について立証する必要はございません。
一方、債務者側は、故意や過失がないのであれば、その無過失について立証する必要がございます。
債務者の立証責任において故意や過失の有無を立証しなければなりません。

因果関係と損害発生

損害賠償請求においては、損害発生の事実と、債務不履行における因果関係が必要となります。
例えば、債務不履行があっても損害が発生しない、という場合も考えられます。
このような場合、契約の解除はできても損害賠償請求の対象とはなりません。
また、損害発生と債務不履行における因果関係も重要なポイントです。
相当因果関係として定義されますが、債務不履行によって発生する損害が相当と言える範囲に限定されております。

損害賠償を請求される債務不履行の具体例

では実際に、損害賠償を請求される債務不履行の具体例を見てみましょう。

支払いの遅れ

比較的わかりやすい損害賠償請求の具体例がお金の支払いです。
例えば、支払期日を定め支払うと約束しておきながら、その期日までに支払いがなされなければ、遅延損害金が発生いたします。

商品の引き渡し遅れ

売買契約において、指定される期限までに商品を引き渡さなければ履行遅滞に該当し損害賠償請求がされます。
なお、商品を引き渡したとしても、5個の納品予定のところ3個だけだった、というような場合も不完全履行として、損害賠償が請求されます。

契約不履行の対処法は?

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債務者が契約不履行となっている場合、債権者としてはどのように対処するべきでしょうか。
民法の規定と合わせて解説いたします。

履行の強制(第414条)

債務の履行を行わない債務者に対し、強制的に債務を履行させることを「履行の強制」といいます。
改正後の民法第414条では、債権者による履行請求権を認め、強制執行の手続きにより、履行を強制できることを規定しております。
強制執行の方法についても、「直接強制」「代替執行」「間接強制、その他の方法」と規定し、民事執行法などの関連法に基づき裁判所に請求するなどといった手続きが可能であることを定めています。
直接執行は、金銭債権であれば財産の差し押さえ、不動産の強制執行などがございます。
代替執行とは、例えば建物収去において解体業者に収去させる場合など、債権者が第三者に履行の強制をさせ、その費用を債務者から取り立てるといった方法です。
間接強制は、裁判所が支払命令を債務者に行い、間接的に強制させる場合などです。
上記が履行の強制の主な内容です。債権者はその権利を強制執行の手続きにより行うことができます。ただし、「債務の性質が許さないときは、履行の強制ができない」とも規定されています。これは強制的な債務内容の実現になじまない場合を定義するもので、例えば、芸術家に絵を描かせる債務などがあげられます。

損害賠償請求権(第415条)

損害賠償については、損害賠償ができるときや、損害賠償ができる事例について先述いたしました。
契約上、果たすべき義務を守らなかったことで相手方へ損害を発生させた場合、債務不履行に基づく損害賠償請求が可能となります。
実際に取引の相手方へ対し損害賠償請求をする場合は、損害賠償が認められる要件や請求できる範囲、そして時効について、正しく理解し確認する必要がございます。
要件を満たしていないにも関わらず損害賠償をしてしまったり、範囲を超え過大な損害賠償をしてしまったり、相手方と別なトラブルへつながってしまう場合もございます。
損害賠償の範囲として注意すべきポイントに「履行利益」の観点がございます。
契約の取引通りに履行がされていれば得られたであろう利益を「履行利益」といいます。
この履行利益の損害賠償には、例えば、取引対象の商品の転売などによって得られたはずの「逸失利益」と、債権者自ら出費を余儀なくされた場合における「発生しなかった出費」の双方を含むとされます。
また次に、債務の行使は永久的にできるわけではなく、時効といって、権利行使しないまま一定期間が経過すると権利が消滅します。
債務不履行に対する損害賠償請求権の消滅時効は、債権行使できることを知った時から5年(短期消滅時効)であったり、履行期から10年などと定められております。

契約解除(第540条)

民法では第540条にて解除権の行使について定め、540条から548条までで、契約の解除に関しての一般的な定めを規定しております。
民法における解除権のその効力は相手方に対する意思表示によって発生し、一般的には期間を定めて債務の履行を催告することで、解除を行うことができるとされております。
ただし、履行不能の場合においては、催告することなく直ちに契約を解除することができます。
この規定により、履行不能な契約相手との契約の拘束力から解放し、債権者は新たな契約を自由に結ぶことができます。
催告することなく契約を解除できることを無催告解除と言いますが、上述の履行不能の場合の他、履行拒絶の場合、一部履行不能・履行拒絶で残存部分のみでは契約の目的を達成するのが不可能な場合、一定の期日まででなければ目的を達成できない定期行為の場合、催告したとしても履行の見込みがない場合、なども、無催告解除ができる範囲とされております。
また、改正民法では、債務不履行を理由として契約を解除するためには、相手方の帰責性は不要とされております。
契約をする際には、その関係性も踏まえながら契約書における解除条項について確認しておくのが良いでしょう。

契約不履行の防止法は?

契約不履行とは?違反したときどうなる?対処法や防止法を解説!

契約書の役割の一つは、トラブルを未然に防止するということです。
契約不履行においても、それを防止するために、契約不履行に該当する場合であったり、該当した場合の対応について、双方協議のうえ、しっかりと明文化しておくのが良いでしょう。
賠償額を決めておいたり、契約不履行となった場合に負うリスクをなるべく具体的にしておくことで、債務者はそのリスクをイメージしやすく、債務不履行にならないよう注意を促すことができます。
契約書において、契約不履行とそれに基づく損害賠償や契約解除は重要なポイントです。協議した条項を契約当事者双方で良く確認するようにしましょう。
また民法改正前から継続している契約書についての見直しも行うと良いでしょう。債務不履行責任など変更された部分に対応できているのかなど、顧問弁護士の方などにも確認し見直しておくことも合わせてお勧めいたします。

まとめ

今回のテーマは契約不履行・債務不履行として、違反した場合の対処法や取り決めなど、改正民法のポイントも踏まえながらご紹介させていただきました。
契約締結においては大切なポイントとなります。
取引における当事者間の権利と義務をまとめ、未然にトラブルを防止するために書くのが契約書となります。
そもそも契約は口頭でも成立するものではございますが、今回ご紹介しました通り、契約不履行など、思わぬトラブルが発生することは常に想定されるものとして、その対策を契約書として明文化し規定しておくのも大切です。
そのような観点からいえば、契約業務においては締結前の双方のレビューや修正については一定の時間は必要かもしれません。
AIを活用した分析、専門家によるアドバイスなど、対応できる方法はございますが、それでも一定量の時間はかかります。
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記事執筆者 / 記事監修者

DX-Sign メディア編集室

株式会社バルテックサインマーケティング部 時田・秋山

 
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