医療業界×DX

医療業界におけるDXの現状
（2025年問題）

日本の人口構造において多くを占める「団塊世代」が後期高齢者になる年といわれている2025年。

治療を必要とする人が今よりも多くなる一方、その担い手は人手不足により年々減少しており、

質の良い医療サービスを維持していくために国を挙げて整備が進んでいます。

しかし、業務の効率化を求めてDX化の波が加速する中でも、地域によって対応にバラつきがあるのが現状です。

ここでは、医療業界がDXを進めるためにどのようなことを行えばよいか、具体的に考えます。

医療業界がDX化に向けてやるべきこと

医療業界がDX化に向けてやるべきことは何でしょうか。

主に以下のようなことが挙げられます。

①診察業務の効率化

近年、医師の人手不足に対し患者人口は増加しています。このことにより、医師一人が診る患者の数が多くなり、患者はスムーズに診察を受けられなくなっています。そのため、初診のWEBカルテ記入やWEB診療予約を必須にすることが考えられます。都会では既に実施されていることも多いのですが、地方においてはそのような整備が整っていないこともあります。

②労働環境の改善

医療現場は24時間体制ですので、早朝や夜間などスタッフによって様々な勤務体系が存在します。そのような場合でもExcelで管理がなされている現場も多く、担当者に負担がかかっています。例えば紙のシフト表をExcelに反映する作業や、シフトに変更があった際の修正作業です。手作業で行う以上、どうしてもミスは発生してしまいますから、なるべくシフト管理ツールのような外部システムの利用をおすすめします。シフト管理に追われることで万が一患者への対応に影響が出てはなりません。デモ利用ができるものもありますのでまずは気軽に検討してみてください。

③高齢者のニーズをくみ取った対応

医療サービスの質を落とさない為には高齢者のニーズに対応することが必要です。近年では、通院が困難になった高齢者が、自宅などの慣れ親しんだ場所で治療を続ける「在宅医療」の需要が高まっています。ただでさえ不安な治療行為。せめて環境くらいは心地よい場所を選びたいと思う気持ちはごく自然なことです。そのようなニーズに応える為、在宅医療への対策が迫られています。例えば、医師と患者がすぐコミュニケーションできるようなチャットツールの活用や、患者が端末に入力した病状をすぐに確認できる電子カルテの導入などです。また、最近ではオンライン診療も活用されており、患者の家族がオンラインで患者の病状を見せた後、往診すべきかどうか判断してもらうケースもあります。このように院外ではデジタルツールを上手く取り入れることが必要です。

最近では終活を行い、最期を真剣に考える方も増えています。昔よりも人々の生き方が多様化している今、在宅医療をはじめとした様々な医療を自分で選ぶことは、自分らしい生き方の実現に繋がります。このように患者を精神面でもサポートすることは、今後どんなにデジタル化が広まっても消えることのない大事な観点であり、医師の果たすべき使命といえるでしょう。